川崎町で垣間見た最先端 ―信用経済の芽吹き―
どもども。ごはんこと青木です。
先日、穂波会の先輩である中安さんと朏さんが活動されている川崎町に行ってきました。
すごくムズカシイのですが、エネルギー本位制という理念を掲げ、円に頼らず自活していく方法を模索しています。
その中でいくつもの気づきがあったので紹介していきます。
まずはこちら。
川崎町の定食屋さん、まさるより。
見てこのシステム。
おっちゃんとおばちゃんで切り盛りしているのに代行までやってしまう。
誰が運転してその間誰が回すのだろうか…と不思議な気持ちになった。
これ、スゴいシステムですよね。
多分飲み会なんかやったらたいていの人は自分の家族が迎えに来てくれて、『○○さんんも一緒に乗ってってけさい!』なんて言いながらあぶれた人を乗せてってあげるんじゃないかな。
しかも地元の人しか来なかったら大きい宴会も1件とかで済んでしまうかも。
もしそうだとしたら「お店で待っててねー」なんて言いながらお客さんを送って、待ってるお客さんは残った料理をつつきながら待てるのだろうか。
妄想は止まらないものの素晴らしいシステムである。
さて、次はこちら。
壱きもち。である。
そう、ただの木の板である。
驚くなかれ。
これは川崎町のNPO、「資源を守る会」の通貨なのである。
多くの里山自治体にもれず、川崎町も山林が年老いてしまい、間伐が必要だ。
しかし林業は儲からないため木はぼうぼう、下草は生えず、山が弱っている。
そこで、森で木を伐採することでこの木札をもらうことができて、
これを使用することでNPOの会費がタダになるということだ(たしか)。
川崎町内で使える地域通貨を育てていきたいという話だった(ように思う)。
これは本当に興味深い。というのも、青森市が少し前に雪かきをするとポイントがもらえて、商品券と交換できる、というものだ。
https://mainichi.jp/articles/20171206/k00/00e/040/286000c
これはイケてるようでイケてないと考えている。
というのも、世界を巡る円の価値と地域課題の解決にギャップがあるためだ。
ニーズを価格差が適切に表していないといえる。
というのも、青森でやっているお店でパンが100円で売っているとする。
それに対して同じクオリティのパンが東京で1000円するかというとそれほどの差は考えにくい。
では雪かきのニーズはというと青森のニーズの方が東京よりも10倍なんてもんじゃないくらい高いわけだ。東京では雪かきをしなくたってせいぜい電車が遅れたり、ノーマルタイヤが原因の事故が起こるくらいで済む。ところが青森では雪かきをしなければ物流が止まり家は潰れ大変なことになる。その名の通り、地域課題は地域によってその課題の大きさが異なる。
そこに世界を巡る円をぶつけるのは非常に相性が悪い。
なぜならそこには"相場”が存在し、そこからは極めて平均化された価値が算出されるためである。
あたかもメートルの定規を使って尺を基準に作られたものを図るようなもので、
なんとなく合わないのだ。
労働を円に変えようとすると「これは安いバイトだ」「割がいい」などと考え始める。
ところが地域のための労働を地域で消費し切ることができればもっと多様な価値提供が可能になる。
例えば今東京では白菜が500円くらいするが、当然出荷できない小ぶりの野菜は農村で余っている。そういった「円にのせると値段がつかないもの」にこそ地域で消費することに意義がある。
それは地域で産み出した円を地域で消費しましょう、という既存の表面的な地産地消ではなく、“円に乗らない価値”を地域で消費することで地域の持つコミュニティ機能が飛躍的に上がることを意味する。
円を稼ぐ仕事はあんまりしていないのだけど、雪かき職人みたいな人が出てきて、食うのには困ってないよなんて人が出てこれるのだ。
しかもスゴいのは、そういった恩義の関係という性善説に頼り切った発想を多くの人が共有しているというところだ。
なんかこれはもう見てもらわなきゃわかんないんだよね。
といいつつ説明を試みよう。
地域で生きるということは人との繋がりなくして不可能である。
その中で恩義のやり取り、貸し借りが互いに大量に行われることで記憶不可能なものになり、ふわっとした“信頼関係”が構築される。
そのやり取りの早さと量が物凄いのである。
まぁ、これを実現できた背景として中安さんたちが出会った現地の人たちの受容性の強さとか、しげおさんのスーパークレバーなところとか色々あるんだけどその辺は行ってみないとわからんと思う。
講釈をたれたが通貨に対する理解が自分は不足していると感じている。
銀行云々もよくわからんし、発行しすぎると価値が落ちる、なんてのも知識として知っているが腹落ちしていない感じだ。ここで書いたことも誤っているかもしれないが、少し自分の頭の整理として駄文を散らしておくこととする。
“人はもっと心地よい距離感で繋がれる”そんなことを感じた川崎旅でございました。
また行きます。
たくじさんが「youtube見た」と言って作ったロケットストーブ。
やってみようがすぐできるのもいいよね。