アメリカでのコミュニティマネジャーの仕事の定義
どもども。青木です。
funky jumpでの様々な活動を通して多くのコミュニティマネジャーとお会いさせていただいているのですが、その中で「コミュニティマネジャーの仕事ってふわっとしていて定義がまだなされていないよね」という意見によく出会います。
また、「コミュニティマネジャー集まれ!」というイベントなどではオンラインコミュニティマネジャー(オンラインサービスを中心としてコミュニティ施策を実施していく。ex. ゲーム、利用者配信型アプリなど)と、オフラインコミュニティマネジャー*1がわさっと集まるような感じです。
そこで米国のジョブディスクリプション*2を探してみることにしました。
さすが米国、網羅的にオフラインコミュニティマネジャーの仕事内容が定義されています。
「どこまでが仕事内容なのかわからない…」という声もお聞きしますので参考までにご覧いただければ。
ちなみに米国でもオフラインコミュニティマネジャーの位置づけは異なり、更に権限がどれだけ与えられているかによっても違うようです。
ということで今回参考にしたコワーキングスペース向けシステムを提供しているGreetlyが自社メディアで公開しているジョブディスクリプションです。意訳してみたので参考にしてみてください。
※下線部はわかりやすく入れてみた架空のスペース情報です。
以下リンク先のジョブディスクリプション意訳
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概要
ワークスペースぴょんぴょんは国分町においてアットホームな雰囲気を強みとした空間です。
我々のミッションはスタートアップ、自営業、NPOそしてアーティストの方々に、クリエイティブなオフィス環境を提供することです。
我々はこのローカルなコミュニティに誇りを持っており、利用者者にとってより事業・活動を実施してもらうためにこの空間を提供しています。我々はこれらをホスピタリティを持って実現しています。
(ワークスペースぴょんぴょん)はフレンドリーで、細かい所に目が行き届く方を、(ワークスペースぴょんぴょん)の顔であるコミュニティマネージャーとして積極的に探しています。
我々は、あなたが日々の業務活動や事務処理をこなしながら、素晴らしい体験を利用者に提供することにより、コミュニティの成長に貢献することを期待しています。
また、この仕事に就くあなたには丁寧なサポートや、主体的にビジョン達成に取り組んでいただくことで責任感ある仕事であると考えています。
■コミュニティマネジャーの責任範囲は下記を含みます
・コミュニティマネージメント
・フレンドリーな環境を作り、メンバーの満足度を高めること。
・(ワークスペースぴょんぴょん)の価値を信じること。
・メンバー間での繋がりを作るための企画・実行。これには特定のメンバーの紹介、メンターマッチング、ネットワーキングイベントの開催、スペース・Web上でのコミュニケーションのマネージメント等を含みます。
・テナント企業や個人事業主が関心を持つビジネス情報や入居者の個人的な目的を把握すること。
・メンバー間のトラブルを、緊張が走らないような形で、迅速に解決すること。
・新しい意見が歓迎される雰囲気を作ること。
・新規利用者の登録や退会者の監督すること。
■イベントの企画・実行について
・下記のステークホルダーを含むイベントのカレンダーを4半期ごと構築する。
└現在の利用者に対して:教育的なもの(ランチ・勉強会)、感謝を示すイベント(ハッピーアワー・テーマのあるパーティー)
└将来の利用者に対して:将来の利用者を集めるようなイベント
└地域のコミュニティ:スペース外部のイベント運営者を探し、イベントスペースを使ってもらうこと。イベントの性質にもよるが、(ワークスペースぴょんぴょん)の顧客管理システム(CRM)やSNS上のコミュニティの構築にもこれらのイベントを活用すること。
・割り当てられた予算を管理すること。
・地域のキーマンにコミュニティの良さをアピールすること。
- チームと共に、ケータリングから、スムーズなイベントへのチェックイン、掃除のプロセスなど含めてイベントを監督すること。
■事業開発について
・オーナーと共に売上目標、入居率、価格設定などの設定・達成に責任を持つこと。
・見込み利用者に対して内覧会を実施すること。
・地域の記者やコミュニティのリーダーが(ワークスペースぴょんぴょん)へ興味を持つようコンタクトすること。
・地域で開催されるイベントに出席し地域のコミュニティに関与する。
・新しいメンバーが(ワークスペースぴょんぴょん)のカルチャーとミッションにフィットするよう促すこと。
・主要な取引先や地主と良好な関係性を維持すること。
■施設・空間の管理について
・利用者にとって満足度向上に繋がる全ての建築工事を管理すること。
・Wifi、キッチン、プリンター/コピー機等の主要な設備を常に使える状態にすること。
・利用者にとって影響のあり得る施設に関する問題を認識してもらうこと。
・空間や利用者を管理するための様々なコワーキング向けのソフトウェアを活用すること。
・オーナーに対して、メンバーにとって魅力的な新たな特徴や設備の導入を推奨すること。
・施設や主要な備品の修理のためのメンテナンスを行うこと。
・清掃が当初の計画通りなされているか確かなものにすること。
・利用者の安全や緊急事態への備えに関する地元の法令や規制に注意を払うこと。
■パーソナル・マネジメントについて
・上記に示されたコミュニティ、売上、そして設備に関する目標を達成すべくチームをマネジメントすること。
・それぞれのチームメンバーの専門的能力開発に対して責任を持つこと。
・チーム全体で定例ミーティングを行い、チームが目標に向かって行動していることを確認すること。
・週次で1 on 1ミーティングをチームメンバーと行い、個人の業務や目標の状況に関して評価すること。
- チームメンバーの360°的なパフォーマンス評価を推進すること。
・チームに関しての知見について経営者意識を持って共有すること。
■経験や必要項目について
・四年制大学の卒業。
・営業やカスタマーサービスの分野で2~4年の経験。
・プロジェクトマネジメントのスキルを発揮できること。
・多様な技術理解。コワーキングスペースで活用する様々なハードウェア/ソフトウェアを理解し、使用することができること。
・ソーシャルメディア法人アカウントの運営経験。
・ビジネス系のコンテンツ作成経験、基礎的なグラフィックデザインスキルがあればなおよし。
・(国分町)と我々の起業家コミュニティへの情熱。
・オーナーとのコミュニケーションが少ない中で独立して業務に取り組むことへの関心。
・英語に堪能である。他の言語が話せるとなおよし。
・倫理、共感性、信頼性に富むこと。
・(国分町)で働くことが法的に許可されていること。
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いかがでしたでしょうか。
オフライン、オンラインと分けましたが米国のオフラインコミュニティマネジャーはオンラインでの活動経験も求められるようです。
米国の方がコミュニティマネジャーの仕事が早期より発展しているのですべて真似ればいい、ということではありませんがぜひご参考に。
お読みいただきありがとうございました。
青木
*1:オンラインコミュニティマネジャーと区別するためにコワーキングスペースのコミュニティマネジャーをここではオンラインコミュニティマネジャーとします。オンラインとオフラインの違いは中心とする場の違いです。
*2:ジョブ・ディスクリプションに記載される代表的な項目は、職務のポジション名、目的、責任、内容と範囲、求められるスキルや技能、資格など。特に職務内容と範囲については、どのような業務をどのように、どの範囲まで行うかといったところまで詳細に記述されます。 引用:https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=111