わりと覚悟して仙台で起業したのにとってもチャレンジングな街になってた件

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どもども。青木です。

仙台で起業してはや2ヶ月が経ちました。
このあたりで仙台での起業してよかったことがいくつかあったのでまとめておこうと思います。

 

補助金や制度的サポート面でまず東京には敵わない。

まずはじめに補助金をはじめとして制度的なサポート面です。仙台にはアシ☆スタという創業サポートデスクがあります。ここで創業支援の相談に乗ってもらうと創業時の税金が半額になるという仕組みがあります。

一方、東京にはStartup Hub Tokyoという施設からTokyo DOCANをはじめとした各種プレシード向けイベント、シード段階に入ると青山スタートアップアクセラレーションセンターのプログラムなど起業家をサポートする施策がたくさん存在します。起業家の数や投資家の数はもう言うにおよばずですね。

また仙台と福岡の比較でも起業数はどっこいなのに、内訳で見るとITが多い福岡に対し、仙台は飲食・美容室などの開業がほとんどです。

とはいえ指を加えて見ているだけの仙台ではありません。

OHU×MORI(奥羽の杜)というプログラムのもと、Tohoku Growth AccelaratorSendai for Startupsなど様々なイベントが開催されておりまして2月中はもうスタートアップイベントだらけ、という様相を呈しております。東京に敵わないながらも頑張っている、というのが開業前の仙台の印象でした。

 

そんなわけで、仙台で創業するのは条件面だけ整理するとイマイチ…。という感じでした。

周りの人も「どうして(わざわざ)仙台で起業するの?」という感じでした。

 もう創業する前などはただ使命感と決意だけでした。それは以前書いた記事に載せたのでここでは割愛します。

 

gohandesuyokun.hatenablog.com

 

■意外とスタートアップウェルカムな街になっていた

さて、仙台で創業した私ですがまず驚いたのはenspace。私の入居先のコワーキングスペースですね。

まだ東京にいた私ですが登記をはじめとした慣れない部分でもフォローいただきました。

また驚いたのは銀行ですね。某地方銀行で法人口座解説の手続きをしたのですが、Polar Pear Pitching効果もあったのかなんと次長が出てきてくださいました。担当窓口の方も「仙台で起業していただけるなんて嬉しいです!」みたいな。ずっと企業誘致、起業促進に取り組んでらした中でとのことで喜びもひとしおなのでしょうか。今までは保守的だと思われていた銀行ですが、スタートアップ支援にも関心を持っているようです。

 

■「すごい公務員」の存在

仙台市職員の方々はなんというか、情に厚い、“なにか自分たちにできることはないか”というマインドを強く感じます。「こういうの困ってるんですよねー」とお伝えすると「青木さん、それならこういう人ご紹介できるので今度お声がけしましょうか?繋ぎますよ。」みたいな。

また、なんかこう…「よくわかんないけど頑張れー!」って感じの、まずチャレンジしていることへの応援ですかね。事業がイケてるイケてないなんてわからない、という前提に立って、応援ベースで接してくれるのがいいですね。

気軽に相談できて「この補助金使いました?」「それならこんなやり方がありますよ」というのをお伝えいただけるのはすごくありがたいところです。なんというか心強い。

かの有名な仙台市職員、白川さんがTohoku Growth Accelerator のセッションで「我々の仕事はルールの中で、どうやったらできるかを探すことです」とおっしゃってましたが本当にそのように動かれているので助けていただいております。

 

■市民発のイベントがまたできてきた

今まで知らなかったのですが、定禅寺通りをライトアップする仙台光のページェントは加巣多夢というカフェの店主が「冬は窓からの景色が殺風景だなぁ」ということでお店の前の木を電飾で飾ったのが最初だったようです。

それからJAZZ FESやSencai Coffee Fesなど多くの市民企画のイベントが出てきているわけですが、先日enspaceの近くの肴町公園というところでイベントをやってました。このDayoutというイベントも30代のカフェの店主が「俺らが小さい頃の公園ってもっと楽しかったよね」という気付きからイベントを開催するに至ったとのことです。

肴町公園といえば昼間は人もまばらで夜はタクシーのおっちゃんのタバコ休憩場所、暗くてなんでもないような公園でした。しかしDayoutの活動の結果、公園内に絵本を置いておけるキャビネットを設置できるようになるなど活動がきちんと身を結んでいます。

ムラ化せず誰かのチャレンジをまた誰かが応援していく、その連鎖が生まれていっているのを実感した瞬間でした。

 

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■僕が仙台のエコシステムに貢献できること

さて、では自分ではどういたそうかと思うものです。

先日とあるイグジット起業家、現投資家の方がおっしゃっていたのですが、「これまで数多くのスタートアップ支援施策が出てきて多くがムダだと言われてきた。またスタートアップも数多く死んでいった。でもそれはある意味腐葉土のように今のスタートアップ達の養分になっている」というお話しをいただきました。

まさにそのとおりだな、と思っていて、
仙台は震災後、復興関連の動き、より広範のソーシャル、ライフスタイルと関心事が2,3年ごとに変わってきたように感じます。その中のストーリーで「やっぱちゃんとイケてる雇用作って仙台に人を残さないとね」「東北からいきなり世界を目指すような企業をつくっていきたいよね。」という文脈で今の仙台のスタートアップシーンができてきているのだと思います。

今私ができることは少ないけれど起業しようかどうしようか、みたいな人たちの相談に乗れたり、私が今読んでいる本を通してスタートアップの世界を覗けたりするかなーと思っています。

MAKOTOの堀江さんといろいろな活動を議論したり、enspaceの可野さんともちょっとした活動を…。

僕も仙台のエコシステムに貢献し、腐葉土としてさらなるスタートアップの誕生、スタートアップに関わる人の人材創出に取り組めたらと思っています。

「ここでなら挑戦できる」と思ってもらえる街を、皆と一緒に作っていけたらと思います。

 

ここまで読んでいただいた皆さんありがとうございました!